
建築設備や機器の固定に使われる「アンカーボルト」。図面や現場では「アンカボルト」と表記されることもありますが、どちらが正しいのでしょうか。公的な仕様書やJIS規格の表記を確認し、設計図書やCAD図面での適切な使い方を解説します。
疑問(Q):アンカボルト?アンカーボルト?どちらが正しい?
アンカーの表記について、「アンカボルト」と「アンカーボルト」の2種類を見かけます。
設備機器の基礎伏図や施工図、仕様書などを作成する場合、どちらの表記を使うのが正しいのでしょうか。また、図面や現場での使い分けに決まりはあるのでしょうか。
回答(A):正式な技術用語としては「アンカーボルト」が適切です
「アンカーボルト」を標準的な表記として使用することをおすすめします。
公的な建築工事標準仕様書やJIS規格では、「アンカーボルト」という表記が使用されています。
一方、「アンカボルト」は現場での略称や慣用的な表記として使われる場合がありますが、公的な技術文書で標準的に使用される表記とは区別しておくとよいでしょう。
1. 「アンカーボルト」と「アンカボルト」の違い
それぞれの表記について整理します。
– アンカーボルト
- 公的な仕様書や規格で使用される標準的な表記です。
- メーカーの製品資料や技術文書でも使用されています。
- 設計図書、特記仕様書、施工要領書などでは、この表記に統一するのが適切です。
– アンカボルト
- 「アンカー」の長音符号「ー」を省略した表記です。
- 現場での会話や略称として使われる場合があります。
- 正式な設計図書では「アンカーボルト」に統一することをおすすめします。
2. 公的な仕様書・JIS規格での表記
公的な資料でも「アンカーボルト」という表記が確認できます。
① 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)」
令和7年版の第7章「鉄骨工事」では、7.2.4の見出しに「アンカーボルト」と記載されています。
また、構造用アンカーボルトの材質について、JIS B 1220(構造用両ねじアンカーボルトセット)を参照しています。
② JIS B 1220
JIS B 1220の規格名称にも「アンカーボルト」という表記が使用されています。
このように、公的な仕様書や規格名称においても「アンカーボルト」が標準的な表記となっています。
3. Jw_cadの図面・設計図書での使い分け
Jw_cadで設備機器の基礎図や架台図、機器配置図などを作成する場合は、図面内の表記を統一することが重要です。
| 使用する資料 | 推奨する表記 |
|---|---|
| 設計図・施工図 | アンカーボルト |
| 基礎伏図・機器据付図 | アンカーボルト |
| 特記仕様書 | アンカーボルト |
| 施工要領書 | アンカーボルト |
| 現場での口頭説明 | アンカボルト(略称として使用される場合あり) |
Jw_cadで作図する際のポイント
- 図面内の文字表記は「アンカーボルト」に統一します。
- ボルトの呼び径、長さ、本数、配置寸法などを明確に記載します。
- 機器メーカーの標準図や承認図と表記を合わせます。
- 既存図面を修正する場合は、関連する注記や部材表の表記も確認します。
まとめ・注意点:設計図書では「アンカーボルト」に統一しましょう
「アンカボルト」と「アンカーボルト」のうち、公的な仕様書やJIS規格に基づく標準的な表記は「アンカーボルト」です。
実務では、次の点を意識して使い分けましょう。
- 設計図書・CAD図面・仕様書:「アンカーボルト」を使用します。
- 現場での会話:「アンカボルト」と呼ばれる場合もあります。
- **メーカー資料:**製品カタログや承認図に記載された正式名称に合わせます。
なお、アンカーボルトの種類、材質、径、埋込み長さ、定着方法などは、用途や構造条件によって異なります。図面作成時には、特記仕様書、構造設計図、メーカー資料を確認してください。
また、建築確認や施工に関係する事項については、設計者、構造担当者、施工者および関係諸官庁との協議・確認を行うことが重要です。
表記を統一することは、図面の読み間違いや施工時の認識違いを防ぐための基本です。Jw_cadで作成する図面でも、正式な技術用語を使用して、分かりやすい設計図書に仕上げましょう。
参考資料
- 国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」第7章 鉄骨工事 7.2.4 アンカーボルト
- 建築用アンカーボルトメーカー協議会「アンカーボルトQ&A」
- 建築用アンカーボルトメーカー協議会「建設用アンカーボルト規格」








