温水・冷温水設備で使用する密閉式膨張タンクの仕様確認チェックリストとして実務向けに整理しました。

密閉式膨張タンク 仕様確認チェックリスト
1. 法令・容器区分
□ 最高使用圧力を確認した
□ 内容積を確認した
□ 第二種圧力容器の該当有無を確認した
判定基準
- 気体圧力0.2MPa以上
- 内容積40L以上
又は
- 胴内径200mm以上
- 胴長さ1000mm以上
□ メーカーの検定合格品であることを確認した
□ 銘板を確認した
2. 温度条件
□ 系統温度が100℃以下であることを確認した
□ 密閉式膨張タンクの使用温度範囲内であることを確認した
□ 高温水系統ではないことを確認した
□ 温度上昇対策が講じられていることを確認した
例
- 可溶栓(溶解栓)2個設置
- 温度制限制御
- 高温遮断制御
3. 容量計算
□ 膨張水量を算出した
□ タンク有効容量を確認した
□ 初期封入圧力を確認した
□ 最高圧力時の受入容量が確保されている
確認事項
- 系統保有水量
- 温度上昇による膨張量
- 安全弁設定圧力
- 最低圧力
4. 設置位置
□ 循環ポンプ吸込側に接続されている
□ 点検可能な場所に設置されている
□ 取替えスペースが確保されている
□ 床荷重に問題がない
□ 凍結の恐れがない
5. 配管施工
□ タンク接続配管に弁の閉止忘れ対策を講じている
□ 接続配管径がメーカー指定以上である
□ タンクに配管荷重をかけていない
□ 熱伸縮応力をタンクに伝達していない
□ ドレン排水が可能である
6. 安全装置
□ 安全弁を設置している
□ 安全弁容量が機器能力に適合している
□ 吹出し管を安全な場所へ導いている
□ 圧力計を設置している
□ 補給水装置を設置している
7. 初期圧力確認
□ 封入圧力を確認した
一般式
封入圧力 ≒ 静水頭(m) ÷ 10 + 0.03MPa
例
| 高低差 | 封入圧力 |
|---|---|
| 10m | 約0.13MPa |
| 15m | 約0.18MPa |
| 20m | 約0.23MPa |
□ 封入ガス圧を測定した
□ 試運転時に再確認した
8. 維持管理
□ 年1回以上の定期自主検査を実施する
□ 封入圧力を点検する
□ 外面腐食を点検する
□ ダイヤフラム・ブラダ損傷を確認する
□ 安全弁作動状態を確認する
□ 点検記録を保存する
ワンポイント
現場で最もトラブルが多いのは次の3項目です。
✅ 封入圧力不足
✅ 膨張タンク容量不足
✅ 可溶栓未設置(100℃超過のおそれがある系統)
この3項目を確認すれば、温水設備の不具合の大半を予防できます。
また、教材や仕様書として掲載するなら、
密閉式膨張タンク(高温水用を除く)は、系統内水温が100℃を超えないことを確認する。100℃を超えるおそれがある場合は可溶栓2個を設置する。また、第二種圧力容器の適用有無を確認し、検定合格品を使用する。
という記載が、実務上まとまりが良くおすすめです。








