次世代超音波式水道メーターを活用し、水道インフラの維持管理高度化へ
アズビル金門株式会社は、青森県弘前市や静岡県富士市をはじめとする全国27の水道事業体と協定を締結し、漏水検知機能を備えた次世代超音波式水道スマートメーター「flowIQ2200」を活用した実証実験を開始したと発表しました。
実証実験の背景
国内の水道事業では、
- 水道管路の老朽化
- 技術者不足・労働力不足
- 維持管理コストの増加
- 有収率低下への対応
といった課題が深刻化しています。アズビル金門は、こうした課題解決に向けて、超音波式水道スマートメーターを活用した漏水検知技術の有効性を全国規模で検証します。
「flowIQ2200」とは
「flowIQ2200」は、デンマークのKamstrup社が開発した超音波式水道スマートメーターで、
- 高精度な流量計測
- 音響データ収集
- 漏水検知機能
を備えています。収集した音響データはクラウド上で機械学習により分析され、水道メーター一次側(配水管側)の漏水発生可能性を検知します。
アズビル金門は、同製品の国内型式承認を取得し、日本向けにクラウドサービスや漏水検知ソリューションを提供しています。
3つの視点から効果を検証
本実証実験では、以下の3つの観点から評価が行われます。
① 技術検証
- 漏水検知精度
- 漏水検知技術
- クラウド分析
- 水道管状態分析
② 管理・運用検証
- 漏水箇所の早期発見
- 維持管理業務の効率化
- 配管更新計画の最適化
- 投資判断支援
③ 経済価値検証
- 投資対効果(ROI)
- 有収率向上
- ダウンサイジング効果
- 設備管理費削減
実証実験の概要
全国27事業体のうち、
- 25事業体:技術検証・管理運用検証
- 2事業体:上記に加え経済価値検証
を実施します。漏水リスクが高い箇所へ「flowIQ2200」を設置し、漏水の可能性が検知された場合は現地調査や修繕を行う予定です。
実証事例
青森県弘前市
- 実証期間:2026年10月~2027年9月
- 設置場所:浜の町東地区
- 設置台数:32カ所
flowIQ2200と電子式水道メーターを設置し、新設したブロック給水方式によって漏水量を可視化します。
静岡県富士市
- 実証期間:2026年10月~2027年9月
- 設置場所:前田地区
- 設置台数:190カ所
既設元メーターを活用したブロック給水方式により漏水量の可視化を行います。
設備技術者が注目すべきポイント
✔ AIとスマートメーターを活用した漏水管理
従来の漏水調査は、音聴棒や漏水探知器による現地確認が中心でした。今回の実証では、メーター自身が収集する音響データをAIが分析し、漏水可能性を自動判定する仕組みが検証されます。
✔ 配水管更新計画の高度化
管路の状態把握や漏水傾向分析が可能になれば、更新投資の優先順位付けや維持管理コストの最適化が期待できます。
✔ 水道DXの推進
スマートメーターとクラウド分析の組み合わせは、水道事業のデジタル化(DX)を加速させる重要な取り組みとなります。
まとめ
アズビル金門は、全国27の水道事業体と連携し、超音波式水道スマートメーター「flowIQ2200」を活用した漏水検知実証実験を開始しました。
- AIと機械学習による漏水検知
- 配水管の状態把握
- 維持管理業務の効率化
- 有収率向上
- 水道DX推進
といった効果が期待されており、今後の水道インフラ維持管理の新たなモデルケースとして注目されます。





