冷媒使用量を約3分の1に削減し、ヒートポンプ機器の環境性能と安全性を向上
三菱電機はヒートポンプ式冷熱機器向けに、業界最高水準となる従来比約3倍の伝熱性能を実現したプレート熱交換器を開発したと発表しました。

概要
今回開発されたプレート熱交換器は、従来の空調用プレート熱交換器と比較して約3倍の伝熱性能を実現しています。伝熱性能の向上により、熱交換器内部の冷媒使用量を従来の約3分の1まで削減でき、環境負荷低減と安全性向上に貢献します。
近年、ヒートポンプ機器では低GWP(地球温暖化係数)の次世代冷媒への転換が進んでいますが、R32などの次世代冷媒には可燃性を持つものも多く、安全性確保のため冷媒使用量の削減が重要な課題となっています。
開発の背景
従来のプレート熱交換器は、プレート表面に溝を設けた構造が一般的でしたが、伝熱性能の向上には限界がありました。
一方で、平板プレート間に微細なオフセットフィンを設ける方法では、
- 冷媒がプレート全体に均一に流れない
- ガスと液体が混在する二相流の制御が難しい
- 熱交換性能が安定しない
という課題がありました。
新技術のポイント
① 冷媒分布を均一化する分配流路を採用
三菱電機は、プレート入口・出口部に冷媒の均一分配を促進する「分配流路」を新たに設置しました。これにより、
- プレート全体への均一な冷媒供給
- 熱交換効率向上
- 二相流の安定化
を実現しています。
② 微細オフセットフィンを活用
プレート間に設けた微細オフセットフィンにより、熱伝達面積を増大させるとともに、冷媒流れの攪拌効果を高めています。
③ 独自シミュレーション技術で最適化
複雑な二相流挙動を解析する独自技術を活用し、分配流路の位置や形状を最適化。これにより、業界最高水準の伝熱性能を達成しました。
期待される効果
✔ 冷媒使用量を約3分の1に削減
伝熱性能向上により熱交換器層数を削減でき、冷媒封入量を従来比約3分の1まで低減できます。
✔ 環境負荷低減
冷媒使用量削減により、
- 温室効果ガス排出リスク低減
- カーボンニュートラル推進
に貢献します。
✔ 安全性向上
可燃性を持つ次世代冷媒の使用量を抑制できるため、漏洩時の安全性向上が期待されます。
設備設計者が注目すべきポイント
✔ ヒートポンプ機器の小型化に期待
熱交換性能向上により、今後は熱交換器の小型化や省スペース化につながる可能性があります。
✔ 次世代冷媒対応機器の拡大
R32など低GWP冷媒を採用する空調機や給湯機において、冷媒量低減技術として活用が期待されます。
✔ 空調・給湯・EV分野への展開
本技術は、
- ヒートポンプ給湯機
- 空調機器
- 電気自動車(EV)向けヒートポンプシステム
など幅広い応用が可能とされています。
まとめ
三菱電機が開発した新しいプレート熱交換器は、
- 業界最高水準の伝熱性能
- 従来比約3倍の熱交換能力
- 冷媒使用量を約3分の1に削減
- 安全性と環境性能を両立
という特長を持つ注目技術です。
ヒートポンプ機器の高効率化と冷媒削減が求められる中、今後の空調・給湯・EV分野への製品展開が期待されます。
■ 伝熱性能が業界最高水準、従来比3倍のプレート熱交換器を開発 | 三菱電機







