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排水設備において、サイホン作用によるトラップ封水の破壊を防ぎ、管内流動をスムーズに保つための「通気方式の選定基準」および「通気配管(立て管・横枝管)の口径算定基準」をまとめた解説記事です。
通気方式の種類と選定基準
建物の規模、衛生器具の配置、同時使用率に応じて適切な通気方式を選定します。
| 通気方式 | 特徴・適用場所 | メリット | デメリット・注意点 |
| 各個通気方式 | 各衛生器具のトラップ直下から1本ずつ通気管をとる方式。(病室、高級ホテル、自己サイホンが起きやすい器具など) | 封水保護能力が最も高く、安全性が非常に高い。 | 配管本数が多くなり、スペースの確保と施工コストが増大する。 |
| ループ通気方式 | 複数の器具をまとめる排水横枝管の最上流部から通気管を立ち上げる方式。(事務所ビルや学校の共通トイレなど) | 配管を簡略化でき、最も一般的でバランスが良い。 | 接続できる器具数(一般に8個以内)に制限がある。 |
| 伸頂通気方式 | 通気立て管を設けず、排水立て管の頂部をそのまま延伸して屋上等に開放する方式。(小規模建築、住宅など) | 設備スペース(PS)を削減でき、コストを最小限に抑えられる。 | 配管の許容流量制限が厳しく、高層建物や器具数が多い現場には不向き。 |
選定の目安
- 小規模(低層住宅等):伸頂通気方式
- 中〜大規模(一般的なオフィス・公共施設):ループ通気方式(必要に応じて自吐器具に各個通気)
- 高機能・特殊用途(病院・実験室等):各個通気方式
通気配管の口径算定基準
通気管のサイズは、原則として「接続する排水管の口径」および「排水負荷単位(dfu)」をもとに決定します。
- 通気横枝管の口径算定
- 基本ルール:接続する排水横枝管の口径の 1/2 以上(最小口径は Φ32)とします。
- 各個通気管:接続する器具排水管と同径、または 1/2 以上。
- ループ通気管:接続する排水横枝管の口径の 1/2 以上(かつ最小 Φ32、大便器を含む場合は Φ50 以上推奨)。
- 通気立て管の口径算定
- 基本ルール:接続する排水立て管の口径の 1/2 以上とし、全区間で管径を縮小してはなりません(最小口径は Φ50)。
- 許容負荷(dfu)による算定:接続される総排水負荷単位(dfu)と、通気立て管の「許容長さ」に応じて規格表(JASS 12等)から口径を選定します。
- 伸頂通気管の口径算定
- 基本ルール:接続する排水立て管の口径と同径(縮小不可)とし、そのまま屋上まで立ち上げて大気に開放します。
通気配管の作図・施工上の注意点(Jw_cadプロット時)
- 立ち上がり位置(オフセット):通気横枝管は、排水管に汚水が逆流するのを防ぐため、衛生器具のあふれふち(リム)より 150mm 以上高い位置で水平に配管(または立ち上げ)します。
- 配管勾配:通気管内部で発生する結露水が重力で排水管側へ自然に流れ落ちるよう、排水管に向かって下り勾配(水上へ向けて上り勾配)をとります。
- 屋上開放位置:屋上(または外壁)の通気口は、建物の吸気口(外気取入口)や引き違い窓から水平距離で 3m 以上離すか、高さを 600mm 以上高く確保して臭気の巻き込みを防ぎます。


